今年は、「再生医療」という言葉が、テレビ番組や雑誌などで数多く取り上げられています。今年の流行語大賞にノミネートされるのではないかと思われる程です。
しかし、実際に何がどのように再生されるのか不思議に思われる方も多いのではないでしょうか?
歯科領域について説明しますと、重い歯周病や事故のけがなどによって、歯を支える骨が破壊されて無くなってしまったとします。従来ですとこの無くなってしまった骨は、どうする事もできませんでした。
しかし、この失われた部分に、新しい骨を作る、これこそが再生医療なのです。
方法は、患者さんから骨髄液と血液を採取し、骨髄間葉系細胞という名前の細胞を培養後、患者さんに移植することで、新しい骨ができるというものです。従来は、腸骨(腰の骨)や口の中の他の部分から自分の骨をとってきて、移植する方法でしたから、患者さんの負担も大きく、また感染症や骨吸収のリスクもあったわけです。
この再生医療は、まさに最先端の治療法で、厚生労働省の認可の元、大学病院で実際に患者さんへの応用も行われ始めています。この重要な役割を担っているのが、松本歯科大学 顎顔面外科学講座の上松 隆司準教授を責任者とする研究チームなのです。