認知症は、誰にでも起こる可能性のある脳の病気です。
慣れた場所でも道に迷ったり、最近の出来事を忘れて、同じことを何度も言ったり、買い物の支払いで手間取ったり、急に怒り出すなど病気のために起こる症状がありますが、一番困ったり、不安や恐怖を感じているのは本人であります。自尊心を傷つけないよう、その方の心に寄り添い、余裕をもって対応することが大切なことです。
偏見をもたず、認知症は自分たちの問題であるいう認識をもち、認知症の人やその家族が、認知症という困難を抱えて困っている人であるということに、思いをはせること、また認知症への正しい理解に基づく対応が必要になってきます。
<具体的な対応の7つのポイント>
(1)認知症と思われる人に気づいたら、本人やほかの人に気づかれないように、一定の距離を保ち、さりげなく様子を見守る。
(2)こちらが困惑や焦りを感じていると、相手にも伝わって動揺させてしまいます。自然な笑顔で応じましょう。
(3)複数で取り囲むと恐怖心をあおりやすいので、できるだけ1人で声をかけます。
(4)一定の距離で相手の視野に入ったところで声をかけます。唐突な声がけは禁物。「何かお困りですか」「お手伝いしましょうか」「どうなさいましたか?」「こちらでゆっくりどうぞ」など。
(5)相手に目線を合わせてやさしい口調で。
(6)おだやかに、はっきりした滑舌で。高齢者は耳が聞こえにくい人が多いのでゆっくりとはっきりした滑舌をこころがける。早口、大声、甲高い声でまくしたてないこと。その土地の方言でコミュニケーションをとることも大切です。
(7)相手の言葉に耳を傾けて、ゆっくり対応する。認知症の方は急かされるのが苦手です。同時に複数の問いに答えることも苦手です。相手の反応を伺いながら会話をする。たどたどしい言葉でも、相手の言葉をゆっくり聴き、何をしたいのかを相手の言葉を使って推測.確認していきます。(次回に続く)