台風11号が去ってから、このところ毎日お天気が悪く、気温も10度近く下がりました。昨夜は、医院の駐車場ですず虫を発見し、その音色に秋の訪れを感じました。皆さんお元気にお過ごしでしょうか?
厚生労働省は閣議に、2014年版厚生労働白書を報告しました。
白書は、高齢化の進展を踏まえ、介護を受けずに日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」と平均寿命との差を縮めていくことが重要だと指摘。
同省が14年2月、成人5000人に行った調査で、自分が幸福かどうかを判断する上で重視することを選択式で回答してもらったところ、「健康」が54,6%で最多。特に65歳以上では71,9%に上った。
日本の健康寿命は2010年時点で、男性が70.42歳、女性が73.62歳と、ともに世界一である。これは、各国における医療制度の中でも、取分け日本は「国民皆保険制度」が充実した先進地であることの証しであると言えます。こうして考えると、日本は諸外国と比較しても、暮らしやすい、素晴らしい国だと実感できます。ただ、平均寿命との差は、男性9.13歳、女性12.68歳となっている。人は誰しもが、周囲の人や家族に迷惑をかけずに、健康で元気な生活を送りたいと強く願っていると思います。このためには、運動や栄養に配慮した食事を現役時代から行い、生活習慣改善を行う必要があります。このことは、どこか歯とよく似ていて、抜けてしまった後、もっと若い時からしっかり磨いておけば良かったと後悔するのとよく似ていると思います。テレビの影響からか最近、患者さんからよく聞かれるのが再生医療についてですが、現在の研究進捗状況からして「再生医療で歯の周りの骨を作る」のはまだ相当時間がかかります。IPS細胞の日本、ES細胞のアメリカ、両国においても骨再生実用化のめどは未だたっていません。
残念ですが私たちにとって今出来ること、それは「予防」。これを継続的に行っていくことです。