今年は、気候の変化が激しく大雨による洪水被害が茨城県、栃木県、宮城県で発生しました。尊い命が失われ、また家屋も甚大な被害に見舞われました。自然災害に遇われた皆様に、心からお見舞い申し上げます。毎日当たり前に生活できる事は、幸せなことなのだと不平や不満を言ってはいけないと、つくづく感じる1週間となりました。
9月13日(日)インディアナ大学歯学部 (IUSD : 米国)定例研修会が、都内において開催されました。午後からの講演会には、講師として<天皇陛下執刀医>として有名な、順天堂大学医学部 心臓血管外科教授 天野 篤先生が登壇されました。2012年2月、天皇陛下の心臓バイパス手術に成功し、NHK「プロフェッシナル仕事の流儀」にも御出演されましたので、多くの方がご存知だと思います。
タイトルは、「高齢化社会の医療におけるQOLの追及」と題して行われました。難しい内容ですので、なるべく解りやすく説明します。今日本は高齢化が進むと同時に、平均寿命も延びています。これは医学の進歩による恩恵ですが、同時に健康寿命が延びるかどうかが、問題視されているのです。平均寿命から健康寿命を引いた差が大きいと、介護期間が長くなり、人として尊厳を保ちながらより良い生活の質の向上(QOL)が図れなくなってしまうと心配されるからです。
天野教授は、心臓バイパス手術等の外科手術は人間の命を救うだけではなく、健康寿命も伸ばせるような手術にしていかないといけないと考え、新たな低侵襲の手術法に取り組んでいるとの事です。私の歯科の領域ですと、歯周病を予防し美味しく食事が食べられる、食べるのが楽しみだというお口の状態にする事が、健康寿命を延ばす事に貢献出来る手段になると考えます。
天野教授は天皇陛下の執刀に成功し、名声を得ました。しかしこの事に満足せず、向上心を持ち続けて、さらに努力されており、この姿に私は深い感銘を受けました。