伊那市 院長ブログ 小野歯科医院 長野インプラントセンター

 ようやく私たちが暮らす箕輪町も春めいてきました。
皆さんいかがお過ごしでしょうか?今年は、例年と比べて雪が少なく雪かきは、一回きりと助かった半面、インフルエンザが流行しましたね。まだ、流行っているようですので、うがいと手洗いしっかり行ってください

前回から、歯周病と全身疾患との関係について取り上げました。今回は、高齢者にとって問題となっている誤嚥性肺炎(ごえんせい肺炎)についてなるべく解りやすいように解説していきます。
日本人の死亡原因の第4位は、この肺炎です。肺炎で死亡する人の94パーセントは75歳以上であり、90歳以上では死亡原因の2位と順位が上がるとても怖い病気です。

「誤嚥とは?」
食べ物や飲み物を飲み込む動作を「嚥下(えんげ)」といい、この動作が正しく働かないことを「嚥下障害(えんげしょうがい)」といいます。食べ物や飲み物、胃液などが誤って気管や気管支内にはいることを「誤嚥」といいます。
「誤嚥性肺炎とは?」
誤嚥性肺炎は、細菌(食べかす)が唾液や胃液と共に肺に入り込んで生じる肺炎です。高齢者の肺炎の70パーセント以上が誤嚥に関係していると言われています。再発を繰り返す特徴があり、それにより耐性菌が発生し、抗菌薬治療に抵抗性をもつことがあり、そのため優れた抗菌薬治療が開発されている現在でも治療困難なことが多く、高齢者の死亡原因となっています。
「誤嚥性肺炎の予防は?」
食後、お口の中にたまった食べかすをハブラシ等を使って取り除き、清潔なお口の中の環境づくりに努める(口腔ケアー)。特に、自分では歯を磨くことが出来ない高齢者や脳梗塞の後遺症により手に麻痺が残っている方の場合、家族の方が磨いてあげることが、誤嚥性肺炎を防ぐ有効な手段となります。また、総入れ歯の方では、入れ歯の中に食べかすが多く残っていますので、食後入れ歯をきれいに洗ってあげることも大切となります。