今年は例年と比べて5月の平均気温が高く、長期予報によりますと猛暑になるのではと予想されているようです。患者さんの中には、炎天下のなか屋根の修理をしていて、熱中症になり、はしごから降りる途中で意識を失ないそのままドクターヘリで病院に搬送されて、頭を7針縫う大けがをしたという話をしてくださった方もおりました。命に影響することはなく、本当に不幸中の幸いで良かったとお話をお聞きし、胸をなでおろしました。今年は今から熱中庄対策が必要となっていますので、皆さんも体調管理にくれぐれも努めてください。
今回は、糖尿病と歯周病の関係についてなるべく解りやすく解説していきます。
糖尿病と歯周病がどうして関係するの?と思われる方も多いのではないでしょうか。近年、糖尿病と歯周病の関係が解明されてきたのです。
(1)糖尿病の人はそうでない人と比べて2倍強の頻度で歯周病が起こり やすくなる。
(2)糖尿病の人は歯周病がより重症化しやすい。
(3)血糖コントロールがよくない人は歯周病がより重症化しやすい。
(4)歯周病が重症化している人ほど血糖コントロールがよくない。
(5)歯周病の人は糖尿病になる確率が高くなる。
(6)歯周病の人は現在問題なくても糖尿病予備軍であることが多い
歯周病がある人は、たとえ糖尿病と診断されるほどの高血糖ではな いとしても、HbA1c(過去1~2か月間の血糖値の平均を表す 検査値)が高い人が多いことが示された。
(7)糖尿病の人が歯周病をしっかり治療するとHbA1cが改善する。
慢性感染症である歯周病に対して徹底的な歯のお掃除を行うと、血 糖コントロールが改善する。またそれとは逆に、血糖コントロール が悪いと歯のお掃除だけ進めても、歯周病がなかなか良くならない。
紙面の関係で、(1)~(7)については次回また説明していく予定です。