今年も早いもので、あと数日で終わりを告げようとしています。いつも私のブログを見てくださっている皆さんにとって、どの様な1年だったでしょうか。
ひと昔前は、平均寿命が健康の尺度として用いられてきましたが、最近は、【健康寿命】という言葉が多く使用されるようになって来ました。この健康寿命は、どのくらい長く介護を必要とせずに自立した生活を過ごせるかというものです。
最新のデーターでは、女性が75,45歳、男性が72,57歳で、平均寿命から健康寿命を引いた「日常生活に制限がある期間」は、女性が11,63年、男性が8,49年で調査を開始して以来最も短くなりました。
この健康寿命を延ばす方法としては、定期的な歯のメンテナン
ス、歯周ポケットに溜まったプラークや歯石を取り除き、歯の根を支えている骨(歯槽骨)が溶けないようにすること。このメンテナンスを継続して行うことにより、将来入れ歯になるリスクが減少し、美味しく自分の歯で食べられることはQOL(生活の質)向上の観点からもとても大切な要素となります。
当院では、このメンテナンスを重視した取組みを開院以来行って参り、定着していることに深い感慨を感じています。
この定期的なメンテナンスと同じくらい大切な要素として、お口の機能の低下(飲み込んだり、話したりするためのお口の機能)を防いでいくかが重要となります。
ここ最近、お口の機能の低下のことを、【オーラルフレイル】と呼ばれることが多くなりましたので、フレイルと合わせて説明させていただきます。
【フレイル】とは?
高齢になって心身の活力(筋力、認知機能、社会とのつながりなど)が低下した状態をいいます。筋力などの身体機能の低下より先に、社会参加など他者との交流が減ったり、口の機能が衰えたりすること(オーラルフレイル)から始まります。しかし、早めに発見して適切な対応を行うことにより改善できる状態です。
【オーラルフレイル】とは?
嚙んだり、飲み込んだり、話したりするための口腔機能が衰えることを指し、早期の重要な老化のサインとされています。
嚙む力や舌の動きの悪化が食生活に支障を及ぼしたり、滑舌が悪くなることで人や社会との関わりの減少を招いたりすることから、全体的なフレイル進行の前兆となり、深い関係性が指摘されています。
来年は、オーラルフレイルを予防する具体的な方法について説明していく予定です。
2025年(令和7年)が皆様にとりまして良い年でありますよう御祈念申し上げ、本年の挨拶とさせて頂きます。
来年も宜しくお願い致します。